パイプカット体験談10 パイプカットと医療費控除

~手術後6か月・確定申告~

僕は給与所得者ですが株の投資をしているので、
控除を受けるためにもう10年くらい自分で確定申告をしています。

さて、パイプカット手術は健康保険の対象ではなく全額自己負担でしたが、
健康保険の対象でなければ医療費控除の対象にもならないのでしょうか?


ネットで調べてみると、複数の税理士さんのサイトで
「パイプカット手術費用は医療費控除にできない」と書かれているのがありますが、
それが何故なのか詳細に述べておらず納得できません。

一方で、
「母体保護法の規定に基づいて医師が行う妊娠中絶に係るものは医療費控除の対象となる」
と書かれていました。

そこで、母体保護法の条文を読んで自分で考えることにしました。
( → 電子政府e-Gov 母体保護法

第一章 総則
>第二条  この法律で不妊手術とは、生殖腺を除去することなしに、生殖を不能にする手術で厚生労働省令をもつて定めるものをいう。
>第二章 不妊手術
>第三条  医師は、次の各号の一に該当する者に対して、本人の同意及び配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様な事情にある者を含む。以下同じ。)があるときはその同意を得て、不妊手術を行うことができる。ただし、未成年者については、この限りでない。
>一  妊娠又は分娩が、母体の生命に危険を及ぼすおそれのあるもの
>二  現に数人の子を有し、かつ、分娩ごとに、母体の健康度を著しく低下するおそれのあるもの
>2  前項各号に掲げる場合には、その配偶者についても同項の規定による不妊手術を行うことができる。

続いて、上の第二条にある厚生労働省令(母体保護法施行規則)の条文を見てみます。
( → 電子政府e-Gov 母体保護法施行規則

第一章 不妊手術
>(不妊手術の術式)
>第一条  母体保護法 (以下「法」という。)第二条第一項 に規定する不妊手術は、次に掲げる術式によるものとする。
>一  精管切除結さつ法(精管を陰のう根部で精索からはく離して、二センチメートル以上を切除し、各断端を焼しやくし、結さつするものをいう。)
>二… 三…(以下略)

このように配偶者(夫)が受ける精管結紮術(パイプカット)も、
母体保護法および施行規則において公式に認められた不妊手術なのです。
僕には子供が3人いるので母体保護法で不妊手術が認められる条件(第三条二)に該当します。
(人工妊娠中絶については母体保護法第十四条に書かれています。)

 

医療費控除については所得税法第七十三条第2項にこうあります。
( → 電子政府e-Gov 所得税法

第七十三条
>2  前項に規定する医療費とは、医師又は歯科医師による診療又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして政令で定めるものをいう。

上記の「政令」は所得税法施行令のことです。

(医療費の範囲)
>第二百七条  法第七十三条第二項 (医療費の範囲)に規定する政令で定める対価は、次に掲げるものの対価のうち、その病状その他財務省令で定める状況に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とする。
>一  医師又は歯科医師による診療又は治療
>二… 三… 以下略

この政令の意図は、
「不当に高い報酬を払って所得控除してはダメですよ」
「医師以外の人の処置の費用も一部控除で認めてあげますよ」
と言うところであるように思います。

僕に施術したのはれっきとした泌尿器科の医師なので、
僕が受けた精管結紮術は、紛れも無く、
「医師による」「母体保護法で認められた医療行為」になります。

人工妊娠中絶が医療費控除として認められるなら、
同じ法的根拠がある上に低額な精管結紮術は認められるでしょう。
よく裁判沙汰になる病院への交通費や介護費用、サプリメント代などよりも明確に医療費控除の法規に合致していると思います。

結論としては

パイプカット(精管結紮術)の費用は医療費控除できる

と考えます。

確定申告所得控除抜粋
確定申告所得控除抜粋

というわけで僕はパイプカットの手術費用10万円を
医療費控除の医療費に計上して申告しました。

昨年は同じ年に三男出産、パイプカットと高額医療が重なったので、
(と言うかこの節税のために同じ年に行った)
その他少額の医療費と合わせて医療費控除は82780円。
(医療費控除は全医療費から10万円を引いた額)
普通なかなか年間医療費10万円は超えないのでこれは大きいです。
でもまあ、がんばって調べて、稼げるのはおこづかい程度ですね(^^;

問題は無いと信じていますが、もし税務署から何か言われたら、
僕は上記のように法的根拠があると主張します。
司法の場で争うのであればそれでもいいと思っています。

※個々人の状況によっては上記法律の条件を満たせない場合もあるので、
ご判断は自己責任でお願いします。