ブランデー新馬戦ラスト3F

初めての愛馬のデビュー戦大惨敗

6月4日、日曜日。
僕は心待ちにしていました。

出資馬、愛馬、命名馬のマイネルブランデーが2歳戦の開幕週にデビューを迎えるからです。

しかし直前の追い切りでバテてラスト1F17.3秒というタイムを見て落胆(1F=200m)。

東スポの調教採点も『4』という衝撃の点数をつけられてしまい、勝利は望めず。
今後につながるレースをしてほしい、7~8着くらいでそれなりに回ってきてくれれば、
と言う気持ちでした。


当日。

阪神競馬場には行けないのでレースはラジオで観戦します。
12時10分、ラジオNIKKEIにチャンネルを合わせると同時にファンファーレ。
ゲート入りが行われます。

すると、

実況「マイネルブランデーが下馬しています」

血の気が引きました。
それでもすぐにまた騎手が騎乗しました。
スタート。

出遅れをしたのは他の馬でした。

先頭から馬の名前が呼ばれますが…

ブランデーの名は呼ばれない…呼ばれない…

実況「大きく遅れて黄色い帽子2頭、マイネルブランデーとダイキリシマ、後方からになりました」

また血の気が引きました。

ブランデー新馬戦ラスト3F
ブランデー新馬戦ラスト3F

先頭の方では他の馬があっさりとゴール。
何が勝ったかなんて頭に入りません。

競走中止で呼ばれるかもと思い最後までハラハラしていましたがその後は名前を呼ばれず。
最悪のアナウンスが無かったことだけが幸いでした。
ラジオを切ってガッカリ。

「ダメだった?」「まだこれからだよ」と妻。
子供が周りではしゃいでいるのも目に入りません。

まだ先は長くこれからだということはもちろん分かっていて、
僕も勝ち負けより内容のつもりで見ていました。

12頭中11着(勝ち馬から3.5秒差)という着順はさておき、こんなに最初からずっと後方だなんて…。

競走馬失格、引退すらちらつく内容に絶望の気分でした。


ホームページの近況で「いい動き」だの「順調」だの言っていた話はなんだったんだ…。

新馬戦・未勝利戦を勝つことが大変なことは分かっているけど、あの内容じゃ全く論外じゃないか…。

僕は騙されていたのか…?

そうか、みんなグルだったんだ。

牧場スタッフ、調教師、POG本、みんなしてウソついておれをハメようとしてたんだ!

JRAも政府も秘密警察も、みんな宇宙人の手下なんだ!

世界征服を企む謎の秘密組織がおれを監視してる。

騙されて浮かれているおれを悪の親玉がモニターごしに見て笑ってやがるんだ!

畜生!ケガレシア(演:及川奈央)だったら許すけど!

みんな敵のスパイだったんだ!

どこで見てやがるんだ!畜生!

みんな敵だ!お前もあいつもみんな敵だ!みんな死んじゃえ!

死んじゃえ…ううっううっ…

・・・

おれは何も信じない・・・

おれは誰も許さない・・・

おれは何も夢見ない・・・

なにもかもみんなーーー爆破したいーーーッッ!

AHHHHH――――!!!

(浜田省吾「MONEY」を敬意を持って引用)

という妄想をして寝ました。

そして一晩経って、思ったんです。

今僕は平凡なサラリーマン。
家族を食わせるため、お金のために社会の檻の中で決められた退屈な生活を送っています。

昔は、女の子に振られたとか、試合で負けたとか、就活に落ちたとか、
いろいろな試練があってそれなりに挫折を味わうことがありました。

でも年を取ったら同じことの繰り返し。
安定のための平凡な毎日、感情の起伏もありません。

そんな中で、馬主(一口馬主)というのは喜びと悲しみ、栄光と挫折を与えてくれる、
貴重な娯楽活動なんだな、と思いました。
それも若い頃には経験できない類のものです。

今回味わった挫折感も人生の彩りなんでしょう。
一つ学んだ気がします。


ホームページの近況を見ると、やはり持病の喉鳴りが堪えていた模様。
ブランデー君はこの先どうなってしまうのか…。

まだ1戦、まだ開幕週だろう、と傍から見ればそうなんでしょうがどうしても心配してしまいます。
僕もまだまだ馬主(一口馬主)として忍耐が足らんです。

他の愛馬たち、マイネルニュースマイネルドゥーナサクラメントボンナキュイ
期待しすぎないようにあまり触れてきませんでしたが、
もちろんどの馬も元気に走ってくれることを願っています。

いつか愛馬と共に喜べる日が来ますように…。

「初めての愛馬のデビュー戦大惨敗」への2件のフィードバック

  1. 秘密結社奴らですね。
    A○KAもこれに近いことを言っていたような気が😅

    デビュー戦はこんなものでしょうか・・・。
    社台の良血馬でもないと未勝利戦は大きな壁ですね。
    競馬の厳しさ、身をもって感じました。

  2. 監視社会の妄想、私もよく思います。
    何しろ勝負した時の見事な出遅れ率や・・・

    まず勝った場所から差されたりとか狙い撃ちされている感覚は勝負事をしているとよく思いますよね。

    にしてもデビュー戦を無事走破できて何よりです。

    最近大林ファームと言う牧場をノンフィクションという番組で見て応援していますが、500万勝ったことのある馬が生産者として2回しかないという衝撃の状況・・・・

    勝負の世界は厳しいですが、その分見ごたえがありますよね。

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