2023年11月27日、出資馬マイネルエンペラーが1年ぶりの勝利
今まで勝負所で反応の鈍い馬でしたが、今回は横山武史騎手の落ち着いた手綱さばきにより見事に抜け出し勝ち切ってくれました
これでやっとの2勝目
2勝挙げるのも十分すごいことですがラフィアンの同期のゴールドシップ産駒たちはとても優秀
彼らと比べるとここまで1勝のエンペラーくんは遅れをとっていました
★
マイネルエンペラー(募集名マイネテレジアの20)はユーバーレーベンがオークスを制覇したその年、秋の特別募集で募集されました
「オークス馬の全弟」という箔がついた1歳馬は同年の募集馬最高額の4500万円で募集されました
同じ特別募集のマイネルモーント(募集名ゲッカコウの20)の募集額は2000万円
父と母父が同じ3/4同血で価格が半額以下ということで、募集時はモーントの方が人気になり抽選になりました
エンペラーくんは抽選にはならず後日満口になった形です
今のところ人気通りマイネルモーントの方が安価でありながら3勝を挙げて競走成績・獲得賞金でリード(2023/12/1現在)
さらに重賞勝ちのゴールデンハインドに、皐月賞に出走したマイネルラウレア、3勝クラスのフェアエールング、2勝クラスのマイネルメモリーとヴァイルマティ・・・
ゴールドシップ産駒の同期たちはみんなエンペラーくんより安価でしたがここまで多くの賞金を稼いでいます
こうして見るとエンペラーくんは「割高だった」かもしれません
しかしそれでも結構
レースでの獲得賞金額だけでは語れない、エンペラーはエンペラーが高価で当たり前となる「チケット」を持っているのですから
★
それは他ならぬ「『オークス馬の全弟』という箔」です
例えばラウレア・モーント・エンペラーが共に重賞を勝ったとします
GIで掲示板に乗るくらいの知名度が多少ある重賞勝ち馬になったとしましょう
この3頭がほぼ同じ成績である時、種牡馬入りさせるとしたらどの馬か?
種牡馬にする以上は他の牧場も含めて繁殖牝馬を集める見込みが立たないといけません
GI馬ばかり強者ぞろいの種牡馬マーケットです
GIII勝ち・GII勝ちくらいの馬では普通は見向きもされないでしょう
しかし「オークス馬の全弟」となればわずかな望みはある
ユーバーレーベンは素晴らしい成績を挙げて人気もある馬ですが牝馬なので産める産駒は年1頭です
それは当然ビッグレッドファームだけが持ちます
その1頭をセリにかけてもその1頭に大金を賭けるのは馬主さんも勇気がいる
どんなに人気が高くても高値で売るのは難しいです
「ユーバーレーベンの全弟」「オークス馬の全弟」の産駒ならユーバーレーベンの人気を生かして広く売りさばくことができる
馬主さんが注目するから1歳馬のセールで高値がつくかもしれない
それを見込んで他の牧場さんも手持ちの繁殖牝馬につけようと考えるだろう
この「種牡馬入りが近くなるチケット」こそが隠れたエンペラーくんの価値なのです
あるいは「種牡馬入りする時の売却価格が高くなるチケット」でもあるでしょう
ラウレアとモーントがユーバーレーベンの3/4同血であってもそこまで評価してもらえないですよね
とは言え、もしラウレアとモーントがGIを勝って実力で種牡馬入りしたらそれはスゴイこと
僕が土下座して謝るしかないです(笑)
★
まあ、まだエンペラーくんは2勝クラスなので種牡馬なんて語れる段階ではありません
最低限オープン入りして重賞を勝ってGIで好走するくらいでないと
タダ同然で買い叩かれるのなら意味がありません
ではどれくらいの実績を挙げれば何円くらいで種牡馬として売れるのか?
これは別の記事にて、妄想のついでに考えてみたいと思います