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僕は出資馬を決めるにあたっては母馬の「繁殖能力」を重視することにしています。
この「繁殖能力」は「繁殖成績」とイコールではありません。
「繁殖成績」はカタログに必ずある母系の活躍馬のリストで分かります。
産駒に活躍馬が現れればリストに太字で記され、それからずっとその母馬の実績として輝き続けるものです。
「繁殖能力」は繁殖成績などから推測するものです。
予測の材料として、
・母馬自身の産駒の勝ち上がり率・重賞実績
・母馬自身の競走成績
・母馬のきょうだい、およびその産駒の勝ち上がり率・重賞実績
・さらに祖先の重賞実績
・母馬の出産時の年齢
などで繁殖能力が決まると考えられます。
ここで強調したいのは最後の「母馬の出産時の年齢」です。
繁殖能力は一般的に高齢になると衰えると言われます。
血統や成績だけを見て出産時年齢を見ないのはよくないでしょう。
本当に繁殖能力は高齢になると衰えるのか?
何歳で衰えるのか?
高齢出産馬は全く走らないのか?
著名な繁殖牝馬の出産時年齢別の産駒の獲得賞金を調べてみたので、
以下に見ていきたいと思います。
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★
(グラフ注)
●タテ軸の上限は2億円にしています
ディープインパクトやブエナビスタなど飛びぬけた賞金額にタテ軸を合わせると下の方がつぶれて比較できないため
●高齢時の繁殖成績を見るため、やや昔の繁殖牝馬に限られます
●数字が書かれていない年齢は産駒無しの年齢
ウインドインハーヘア
5歳・6歳・8歳の産駒はアメリカで走りましたが、賞金を1ドル110円で換算しました。
10歳時産駒のブラックタイドが1.6億円、
11歳時産駒のディープインパクトが14.5億円を稼ぎました。
以降21歳まで8頭の産駒を出しましたが、19歳時トーセンソレイユの0.9億円が最高でした。
ビワハイジ
6歳・7歳の産駒は早田牧場の生産、以降がノーザンF生産ということに若干の注意は必要です。
11歳時産駒のアドマイヤオーラが2.7億円、
13歳時産駒のブエナビスタが13.8億円
15歳時産駒のトーセンレーヴ(現役)が2.1億円を稼ぎました。
以降20歳まで5頭の産駒を出しましたが、16歳時ジョワドヴィーヴルの0.9億円が最高でした。
エアグルーヴ
若い年齢で産んだ産駒だって走るよ、という例がエアグルーヴ。
7歳時産駒のアドマイヤグルーヴが5.5億円、
13歳時産駒のフォゲッタブルが2.6億円
14歳時産駒のルーラーシップが5.5億円を稼ぎました。
以降、20歳まで3頭の産駒を出しましたが、15歳時グルヴェイグの1.0億円が最高でした。
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ダンシングキイ
スカーレットブーケ
アグネスフローラ
サワヤカプリンセス
社台系の名牝いろいろ。
名馬は多いですが、高齢まで繁殖に残った名牝を探すのはなかなか難しいです。
傾向は概ね一緒かな、という感じです。
ダンシングキイは9歳時産駒のダンスインザダーク6.0億の後、
18歳時産駒のダンスインザムードが5.3億稼ぎました。
18歳でも意外とイケるんだな、と思えますね。
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タカラカンナ
ティアドロップス
ツクバノーブル
社台系の名牝だけでなく我らがビッグレッドファーム系にも触れておきましょう。
タカラカンナは10歳時産駒のマイネルキッツ5.5億が最高、
ティアドロップスは11歳時産駒のマイネルラクリマ3.3億が最高、
ツクバノーブルは16歳時産駒のマイネルメダリスト2.1億が最高という成績でした。
16歳時産駒で飛びぬけた賞金を稼いでいるのは驚きですね。
15歳・16歳までは見くびらない方がよいでしょうか。
キャットクイル
最大の例外となるのがダービー馬キズナの母です。
初年度5歳時産駒のファレノプシスが4.6億円を稼ぎましたが、
以降は産駒が少なく4頭の産駒で14歳時ヴィクトリアアイの0.5億円が最高でした。
そこから飛んでなんと20歳時産駒のキズナが4.7億円を稼いだという極端な成績です。
高齢出産でも活躍馬が産まれる可能性はゼロではないと言うことですね。
ただし、初年度にG1馬を出している優れた繁殖牝馬で、20歳でいきなり名馬を出したわけではないということに注意しましょう。
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★
<結論>
●繁殖能力は16歳頃から衰える傾向にある
●元々優秀な繁殖牝馬の高齢時産駒は衰えても弱くはない
高齢出産の産駒の活躍例は他にもあるかもしれませんが、概ね傾向は同じだろうかと思います。
上記の例で言えば、ウインドインハーヘアは20歳時でも5000万稼ぐ馬(モンドシャルナ)を出しています。
そこらの小娘牝馬じゃ5000万稼ぐ産駒は出せませんから、やはりポテンシャルは恐るべしです。
高齢の優れた繁殖牝馬と若い実績の無い繁殖牝馬ではどちらの産駒を買えばよいか?
となると難しい比較になります。
多くの場合、実績の優れた繁殖牝馬なら高齢時産駒でも価格が高くなりがち。
若い母馬の産駒は未知の魅力で高く買われるけど全く走らないかもしれない。
それぞれにリスクが伴います。
どちらに偏ることなく、双方バランスよく持つのがよいかもしれませんね。
↓母より上までさかのぼって高齢出産を調べた追加調査の記事↓
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