Northern Dancer多重クロスの時代が来るのか

時代は今転換期にあるのかもしれません。

無敵を誇っていたディープインパクト産駒が
2018年春のクラシックは桜花賞、皐月賞、オークスと続けて馬券圏内にすら入っていないのです。

台頭してきたのはロードカナロアルーラーシップオルフェーヴルという新進気鋭の種牡馬たち。
また、2015年・2017年はキングカメハメハ産駒がダービーを制し、2017年秋にはハービンジャー産駒が京都のG1を立て続けに勝つなど、非サンデーサイレンスの父系の馬が目立つようになりました。
サンデーサイレンスの父系と言えばGI6勝のモーリスを出したスクリーンヒーローも忘れてはいけませんね。

上記の種牡馬はサンデーサイレンスの孫やMr.prospector(ミスプロ)系、Danzig系、ロベルト系と様々ですが共通点があります。
それがタイトルにあるNorthern Dancerのクロスの多さです。

これらの新興種牡馬のNorthern Dancerクロスと血量を見ると、

キングカメハメハ 4*4*6=血量14.06%
ハービンジャー 4*4*5=血量15.63%
ロードカナロア 5*5*7*4=血量13.28%
ルーラーシップ 5*5*7*4=血量13.28%
オルフェーヴル 4*5=血量9.38%
スクリーンヒーロー 4*4=血量12.5%
モーリス 5*5×4*5=血量15.63%

となります。
ヨーロッパほど濃いインブリードではありませんが、おおよそ10~16%に集まっている感じです。

今年の春のクラシック勝ち馬、
桜花賞・オークスを圧勝して2冠達成したアーモンドアイは6*6*8*5*4=血量12.89%
皐月賞馬エポカドーロは6*5*4=血量10.94%です。

父の持っている血量に母からも補っておおよそ同じくらいのNorthern Dancer血量を保っている傾向が見られます。
やはり10~16%あたりに究極のNorthern Dancer血量があるのか・・・?

アーモンドアイ血統表 netkeibaより
アーモンドアイ血統表 netkeibaより

一方ディープインパクトNorthern Dancer血量は4代前に名前が1つあるだけで血量6.25%と少なめ。
ダービー一番人気が予想されるダノンプレミアムも5*5*6=7.81%と血量少なめの部類です。

しかし母の血量により父ディープインパクトよりわずかながら血量を増やしているので、このトレンドに片足乗っていると言っていいかもしれませんね。
ダービーではディープインパクト産駒が意地を見せるか?

日本のNorthern Dancer系統というと1980年代にノーザンテーストがリーディングサイアーに輝きましたが、
1990年代から2010年代にかけてはサンデーサイレンスやその子たちHail to Reason系が席巻。
Northern Dancer直系の種牡馬はたまにG1馬を散発したものの細々とした感じでした。

日本ではNorthern Dancerは根付かないのかと思っていたらそうではなかった。
ここへきてのNorthern Dancerクロスラッシュは驚くべきものです。

もしかすると過去のNorthern Dancer直系の産駒は血量が濃すぎたのが良くなかったのかもしれません。

例えばNorthern Dancer直系の世界的種牡馬DanzigSadler’s Wellsの産駒はNorthern Dancer血量25%となり、今よりだいぶ多い印象。
ノーザンテースト産駒が走っていた頃は底力だけで押し切れたものの、Hail to Reason系が入ってきた頃にはキレで負けてしまう感じでした。

Northern Dancer3代目になると血量12.5%になり今の水準と近くなります。
このくらいの血量ではNijinskyの子カーリアンの産駒やSadler’s Wellsの子オペラハウスの産駒など散発的にクラシックホースが出てきますが、産駒の出来にはムラがありました。

Northern Dancerの底力を経ながらキレとスピードを磨いた血量12~16%くらいの理想のサラブレッド遺伝子が完成するまで血の試行錯誤が繰り返され、
ついに2010年台になってNorthern Dancer多重クロス種牡馬にたどり着いた、という構図かもしれませんね。

時代はサンデーサイレンスからミスプロ系・Danzig系・ロベルト系が入り乱れるNorthern Dancerクロスの時代へ移り変わっていくのか。
最強のNorthern Dancerクロスを持ちポストディープインパクトの座につくのはどの種牡馬か、注意して見ましょう。

「Northern Dancer多重クロスの時代が来るのか」への2件のフィードバック

  1. ›適当に血統博士さん
    こんにちは。コメントありがとうございます。
    良血ならNDクロスがあって当たり前・・・というのは前後関係が逆かなと思いました。
    少なくともスクリーンヒーローとハービンジャーはスタッドインの時点ではGI1勝の一発屋で、良血という評価ではないはずです。
    良血とは言えないNDクロス持ちの馬が最近結果を出して良血と言われるようになったのが実態だと思います。

    過去のNearco血統の動向についてはご指摘のとおりで、僕も注目してるポイントです。
    Northern Dancerも最近になって5*5*5*5くらいのクロスの活躍馬が目立つので、Nearcoの例を再現しているのではないかと見ています。

  2. どうあがいても、ndの多重クロスは避けられないのでは?
    気づいた!いうより、良血を掛け合わせればどうしたってそうなる。
    ネアルコも3×4は駄目で、5×5×4とかの12%前後位でかき集めると良いという評価でしたが?

    ノーザンダンサーの多重はケースが多すぎで検証は不可能と思います。

    因みにノーザンダンサー直子の特徴は馬格は母から、+闘争心とスピードです。

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