2018年10月20日(土)の新潟6R、500万下(牝馬限定)ダート1800m
多くの競馬ファンにとって何てことの無い平場のレースだったわけですが、
このレースが忘れられないものになるとは。
つい先月スーパー未勝利戦で勝ちあがった愛馬・一口出資馬サクラメントの昇級戦でした。
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その時間はお昼時で、僕は土曜の昼食を作る担当なので家族全員のラーメンをドタバタと作り終わり、子供たちの様子を見ながらレースを見るという状況でした。
レーススタート。
サクラメントはいつも通り素晴らしいスタートを決めて先行グループに取り付きます。
一度控えて順調に向こう正面を通過していきました。
そして僕がご飯を食べるためにほんの少し目を離した時、
「1頭落馬!」
の実況が聞こえました。
しかし落馬したのは別の馬だったようです。
レースは最後の直線に入り僕も中継画面をもう一度観ます。
でもサクラメントがいない。
いない。どこにもいない。
えっ?えっ?なんで?
しばらくして「サクラメントは競走中止してジョッキーが下馬」という実況がされました。
「サクラメント故障」
血の気が引きました。
中継はレース結果に戻り、それからはサクラメントのことには触れません。
JRAホームページにアップされた映像を見て、サクラメントが3~4コーナーの中間で故障発生し、減速したため後続の馬が接触して落馬した状況が飲み込めました。
大したことの無いケガであってほしいと祈る思いで気が気でありません。
レースから約2時間後、クラブから臨時更新のメールが入りました。
そして、サクラメントは右前肢ヒザの粉砕骨折を発症したために予後不良になったそうです。
ラフィアンホームページより
清水調教師「この前、勝ち上がったばかりでこれからというときに、言葉にあらわしようもありません。大変残念です」
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前走の初勝利は本当に嬉しかった。
これから長くじっくり走ってもらって、彼女のレースをたくさん見たかった。
それからすぐのお別れ。
とても悲しいです。
でもまだ映像と写真でしか見ていない自分の悲しみなんて大したこと無いのでしょう。
自分よりも、サクラメントと直に接してきた騎手や調教師、厩舎スタッフ、牧場スタッフの方々の心中を察して余りあります。
関係者の方々に心からお悔やみ申し上げます。
そしてサクラメントをこれまで育て上げてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
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レース中の故障としては僕にとってライスシャワー以来の衝撃でした。
僕が競馬にハマる前に初めて見た競走馬のレース中の故障ですごくショックでした。
僕の母が泣いていたのを覚えています。
サイレンススズカの時は僕は受験などあって少し競馬から離れていたのですが、
下馬して憔悴した武豊騎手の様子と馬が救急車に乗せられる生々しい映像は記憶に残っています。
ライスシャワーは天皇賞を勝って次のレース。
サイレンススズカも宝塚記念と毎日王冠を連勝した次のレース。
勝利に喜んでさあこれから、という矢先の悪夢でしたね。
サクラメントも未勝利戦を勝ってさあこれから、という時の出来事でした。
サクラメントは本当にまったく無名な馬なのですが、僕にとってはライスシャワー・サイレンススズカと同列なのです。
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残酷なことのようですが、彼らがいなくなっても競馬は続いていきます。
故障しない強くて速い馬を作るのが競馬の意義であるわけです。
僕も今は本当にショックでしばらくレースを見られないですが、これで競馬を止めるなんてことはありません。
ていうか来週にはまた別の愛馬のレースがあるのでやめられません。
愛馬は何頭かいますけど全部の馬にそれぞれの思い入れがあり、全ての馬から本当に学びをもらっています。
複数出資することでたくさんの貴重な経験をさせていただいています。
サクラメントには心から感謝し、心に刻み、僕自身の人生に生かしていきたいと思います。
寂しいけど、ありがとう、サクラメント。