ラフィアンのオークス制覇で騎手と厩舎について考えた

2021年のオークスサラブレッドクラブラフィアンの馬ユーバーレーベンが勝ちました。

僕も出資しているクラブのクラシック初制覇です。

ユーバーレーベンの血統は父ゴールドシップ×母父ロージズインメイというBRFビッグレッドファーム)が導入した種牡馬の配合。
母系の元をたどればBRFが輸入した繫殖牝馬。
生粋のBRF血統で、3月に亡くなったBRFの前社長岡田繫幸さんのゆかりの血統です。

岡田繫幸総帥は社台グループへの対抗意識を燃やし、一流とは言えない血統の馬を相馬眼で見抜いて、厳しく丈夫に鍛えてクラシックに挑戦し続けました。
僕は繫幸総帥のそんな姿に共感してラフィアンに入会したのです。
生前にクラシック制覇を見られなかったことはとても残念ですが、本当にこれまでのこだわりが詰まっている血統の馬でのクラシック制覇にとても感動しました。

さて、同じクラブの馬が勝っても僕はユーバーレーベンに出資していないので反省会です(笑)

 

ユーバーレーベン=募集名マイネテレジアの18ゴールドシップの2年目の産駒。
半兄にスプリングS3着のマイネルファンロン、祖母にフラワーC勝ちのマイネヌーヴェル、祖母の兄弟に皐月賞3着のマイネルチャールズなどがいる優秀な母系です。

募集価格は1500万円でした。
今となっては格安に見えますけど、2019年7月時点ではゴールドシップ産駒がデビューしたばかりで種牡馬としての実績も傾向も分からない状態です。
それでも募集開始直後から人気が殺到して抽選になりました。

僕も良い馬だと思ったし値段もお手ごろだと思ったけど、
ゴールドシップ産駒の実績が無い状態でこの人気はどうなのかなあ」と様子見のつもりで抽選に参加しませんでした。
もっとも僕の出資実績が足りないので抽選参加しても当選する見込みはなかったですけどね。

 

ちなみにこの年の第1次募集馬では人気になって抽選になった馬がもう1頭いました。

マイネルイナブピノブランの18でしたが、この馬は3戦して全て2桁着順。
奇しくもユーバーレーベンが勝ったオークスと同じ日の未勝利戦で大敗した後JRAの登録抹消という運びになりました。

うーん、募集前に人気があったからってG1勝てるとは限らないのです・・・

ユーバーレーベンは美浦の調教師リーディング2位の手塚貴久厩舎です。
G1を何回も勝って実績のある優秀な調教師さんですね。
厩舎は募集前に公表されるのでここに走る馬を見抜くヒントがあるでしょうか?

僕も西園正都調教師や高木登調教師などG1実績のある調教師に預かってもらう馬に出資したことがあります。
しかし故障などで走れず。
少しレースに出てダメとなるとすぐに転厩されてしまいました・・・。

有名な調教師に預かってもらえるからってダメなものはダメなんです。
ではリーディング上位の厩舎に預かってもらうメリットはいったい何なのか?

 

僕が思うに、新馬・未勝利戦くらいは馬の力で勝ってもらわないと調教師ではどうしようもないのだと思います。
調教師の腕の違いは、1勝馬や2勝馬を重賞馬やG1馬まで引き上げられるかどうかだと思うのです

G1を勝つにはその日その時に馬の力を極限まで引き出さなければならない。
目標のG1から逆算して臨戦過程や調教メニューを考える。
厩舎の温度管理や馬運車の環境にまで気を遣う。

極限の勝負であるG1あるいは重賞に向けてその馬の極限の力を発揮させるノウハウをG1常連のリーディング上位の調教師は持っているのだと思います。

同じことを騎手に関しても思っています。

よく「ラフィアンは大知丹内ばかり乗せてるから勝てない」と言われています。
今回のオークスを見て、G1では確かにその通りだったかもしれないと思いました。

オークスの直線、ユーバーレーベンはじわじわと伸びて早めに先頭に立つ。
まだゴールまで100mあるところ、内からルメールのアカイトリノムスメが急追!
ダメか!?と思いましたが、残り50mユーバーレーベンがもう一度グイっとひと伸び!

あの最後の一押しが決め手でした
そしてあの一押しはデムーロくらいの腕が無ければ引き出せなかったと思います。
どの馬も先頭に立つと多かれ少なかれ気を抜いてしまうものですがデムーロは巧みに最後まで力を出させました。

馬の力だけでは勝てなかったレースでした。
G1は本当に馬の極限の力を引き出さなければ勝てないのだと思いました。

 

・・・と、これはあくまでG1や重賞の話です。

未勝利戦でそんな極限の力を要求するようではダメ
未勝利戦や条件戦は誰が乗っても馬の力で勝てるくらいでないと威張れませんよ。

「このままじゃ勝ち上がれないからデムーロ(ルメール)乗せろ」とか言ってたら「私は馬を見る目がありません」って言うようなものでみっともない。

レースに集中できない馬に普通にレースさせるということであれば、ある程度乗れて馬の癖を知っている騎手であれば十分だと思います。
大知騎手、丹内騎手はあまり強くない僕の出資馬にもよく乗ってがんばってくれていると思っています。

ということで僕が考えるのは、

強い調教師・強い騎手はG1(重賞)を勝つための最後の一押し

未勝利戦を勝ち上がるか勝ち上がらないかは馬の問題

 

ほとんどの馬が勝ち上がるか勝ち上がらないかのところでもがいているので、ほとんどの場合出資馬の入厩先や騎手は関係ないのかなと思います。
未勝利戦でもがいている自分の出資馬に根気よく付き合ってくれる騎手と調教師のことは悪く言わないようにしたいです。

でもG1や重賞になったら別。
今後はラフィアンでも勝負を賭けた上位騎手の起用が増えていってほしいですね。

コメントを残す